第36回JFPSフライボールトーナメント@山中湖わんわん倶楽部 結果

 

第36回JFPSフライボールトーナメントは2009年6月14日 山中湖わんわん倶楽部体育館で開催された。 JFPSの単独フライボールトーナメント初のインドアトーナメントで、レギュラークラス9チーム・オープンクラス1チーム ・ベテランクラス1チーム・ノービスクラス7匹(2チーム)の合計13チームが参加して楽しく競技を行った。

レギュラークラスの第1ディビジョンは3チームで、第2ディビジョンの2チームと合同でシングルラウンドロビン(5/5)を行い、 それぞれのディビジョンでエリミネーションを行い順位を決定した。(第2ディビジョンは2チームによる直接対決のみ。)第3ディビジョン はダブルラウンドロビン(4/4)を行い、勝ちヒート数で順位を決定した。 オープンクラスとベテランクラスは合同で、オープンクラス単独の2レースを含む6レースを行った。(勝敗・記録なし)

ノービスは希望のあった7匹を2つのチームに分け、3ヒートx4レース行った。ネットをたてられないため、はじめは手の空いたレギュラー競技者のみんなでネットを手で持ち、左右のレーンを仕切った。今回ノービスに出場した犬たちの様子をみながら、中央のネットをなくし、人垣のみとした。徐々に人垣の数を減らし、ノービスの犬たちにレギュラーの試合に近い環境でレースを体験する良い機会となった。

参加チームと結果は以下の通り。

順位 クラブ名 チーム名 SRの勝ちヒート シードタイム B/Oタイム ベストタイム
Div.1 いけいけボンバーズ いけいけボンバーズ 13.5(シード2) 18”50 N/A 19”74
FREE WAY Rockets 14.5(シード1) 19”50 N/A 19”69
RED VOLTAGE SSDC 11(シード3) 20”50 N/A 19”99
Div.2 1 チーム・スプラッシー チーム・スプラッシー 8(シード1) 22”50 21”00 21”33
2 いけいけボンバーズ とべとべアタッカーズ 3(シード2) 22”00 21”00 22”61
Div.3 CHD CHD 21.5 23”00 22”00 22”38
SSDC Red Shooting Star 16.5 23”00 22”00 22”42
TUNAMI TUNAMI 24”00 22”00 24”43
TUNAMI O-NAMI 23”50 22”00 25”24
Open WYVERNS・スプラッシー・CHD Bow Wow Dreamers N/A N/A N/A 27”46
VET FREE WAY・群馬暴暴団 黒一点 N/A N/A N/A 24”42
ノー

ビス

いけいけボンバーズ(アイオン・アノン)+South Box(柊)
TUNAMI(クリス・チェリー)+CHD(タップ)+SSDC(七波)

第1ディビジョン・第2ディビジョン合同で行った前半のラウンドロビンはシード位置決めのみに使われたので、順位は第1のエリミネーション、第2の直接対決の結果で決められた。しかも今回は参加チーム数が多くないので、シード位置もさほど重要とは思えない。こういうレース形式の場合では、どのようにレース構成を考えるか・・・ラウンドロビンでは「確実に」「クリーン」に走ってポイントを狙いに行くのが得策だろう。エリミネーション部分は多少の冒険が必要なレースも出てくると思う。ラウンドロビン部分で犬の体力を消耗させず、エリミネーションに持ち込む。一日を通しての力配分へも考慮がひつようになる。

第1ディビジョンでは提出されたシードタイムに開きがあったが実際に走ってみるとどのチームにも十分に勝機はあったように思う。優勝を決める最終戦は見ていたものにとってはとても面白いレースだった。どちらが勝ってもおかしくないレースの場合、後はハンドラーの心理状態も大きくレースにかかわってくる。ちょっとしたミスが焦りをうみ、その焦りがミスを大きくする。詳細は各チームのHPに任せるがチーム内外、観客から拍手と笑いが湧いた。後々まで「語られる」ヒートになったかも知れない。

第2ディビジョンは直接対決になったが、以前の大会でマット上を走る経験をしているチームとしていないチームで差が出たように思う。ボーダーコリーは神経質な部分があり、ルーティーンを好むので環境の変化に「慣れる」のに時間がかかる場合がある。マットは少量であればホームセンターなどで簡単に手に入るものなので、数日家の中に敷いてみるとか、ボックス前に敷いて練習をしてみるなどの環境の変化に慣れる努力をすれば実力を発揮してもらえると思う。

第3ディビジョンではそれぞれのチームでレースを楽しんでもらえたのではないかと思う。ラウンドロビンの勝ちヒート数だけで順位が決定されたため、着実に各ヒートを制していったCHDが有勢だったが、最終レースまでその順位の決定は持ち越された。最後のレースをRed Shooting Starが4つとも取れば逆転で優勝する事ができたのだ。そのプレッシャーと戦いながら頑張ったが、第2ヒートで同タイムが出て引き分けになった時点で優勝はCHDのものとなった。後から話を聞くとCHDは最後まで結果や状況を把握していなかったそうだ。無欲の勝利だったのかも知れない。TUNAMIクラブからは2チームが参加して、今回デビューの犬も含めて、ほとんどのレースを完走、よく頑張ったと思う。2度の直接対決レースではどの犬も伸び伸び楽しそうに走っていたのが印象的だった。

タイトル獲得者(犬)は以下の通り。

FM まな(SSDC)

FDCh−G ラスティー(SSDC)/ TOP(いけいけボンバーズ)/ てぃだ・どらごん(いけいけボンバーズ)/ Raiz(FREE WAY)

FDCh−S SHERRY(CHD)/ 綺羅(CHD)

FDCh さくら(TUNAMI)/ まりこ(SSDC)/ Biscuit(SSDC)

FDX チャチャ(TUNAMI)

FD 幸(TUNAMI)/ どんべえ(TUNAMI)/ 真鈴(TUNAMI)

 

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記念すべき初めての単独室内フライボール競技会にご参加頂いた皆様に大変感謝いたします。また、今回フライボール競技会のために体育館をお貸しくださった山中湖わんわん倶楽部のオーナーの方々ならびにスタッフの皆様に感謝いたします。北米でのフライボール競技会の環境をここまで再現できるまでになったことを大変にうれしく思います。フライボールが日本に浸透するにはこうした施設の存在はかかせません。 

伝統的に柔道が畳の上で、剣道が板の間の上で、相撲が土俵の上で育ったのと同じように、北米のフライボールは屋内アリーナのコンクリートの床の上に張ったマットの上で育ちました。1年の半分近くを雪で覆われるトロント、デトロイト地域では犬が走るレーンが定まっているフライボールは、外の天候に左右されない室内で行うのに最適なドッグスポーツでした。この地域ではアイスホッケーは国技、もしくはそれと同じくらいに地域の人々に愛されています。そのため、どんな小さな町にもホッケーアリーナがあり、小、中、高、社会人のチームがあります。北米のフライボールはそうした環境の中で、場所的にも時間的にも効率よく犬との時間を一日楽しく過ごせるこのチームスポーツは、余暇の選択肢の一つとして徐々に支持を得て育ちました。NAFA(JFPS)のルール上でフライボールは硬い床の上で行われることを想定してかかれていることからも、フライボールが歩んだ道が伺えます

屋内で競技を行う場合、ハイトドッグの存在はより重要になってきます。高速で走る重量のある犬の肩、足腰への負担を考えた時、犬が上下動なく水平に走れるようなジャンプの高さになるようなラインアップを考える事が安全面においても望ましいことです。屋外での競技が中心に育った日本のフライボールでは、ハイトドッグの重要性が軽じられていた傾向にあったことは否めません。

雨の心配もせず、夏の直射日光をさえぎってくれるだけでも、激しい運動を繰り返す犬にはやさしい・・・標高1000mの高原のさわやかな風が大きな窓から入る広々とした体育館(元2面の室内テニスコート場)には犬を休める場所も十分にあります。床材にはゴムチップが塗られていて、多くのアリーナのコンクリートにくらべ足への負担は軽減されています。その上に12mmのEVAマットをレーンに敷き詰めて行われた今回の大会の環境は、北米の基準と比べても恵まれた環境だったと思います。ぜひ、皆さんにも屋内のフライボールの環境に慣れ、数少ない屋内ならではのフライボール競技会の雰囲気を楽しんで頂けることを願っています。

 

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